研究=人生の生活

人生の質を高めるのが哲学なら、学問を探求するのが研究と思い始めた物書き志望者の練習帳

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平面極性とは?

平面極性(PCP)はショウジョウバエの羽の線毛の生える向きがランダムになる変異体の遺伝学的相互作用を根拠に提唱された概念である。Wntリガンドと、そのレセプター、細胞内伝達因子であるDeshevelled(Dsh/Dvl)等の遺伝子が関わっていると考えられており、Wnt-PCPシグナル系が提唱された。

一方で、アフリカツメガエルの原腸陥入における細胞運動の研究から、原腸陥入を阻害する遺伝子群が、上記のWnt-PCPシグナル系の分子と同一である事が明らかとなり、アフリカツメガエルや他の脊椎動物におけるPCPの表現形が記載された。その明らかな表現形は、機能を欠損させると1)Animal cap explant (Keller explant) の伸長運動が阻害される、2)頭部構造が欠損する、3)胚が背側への反り返る、である。専門用語では、1)Convergent extension defects, 2,3)Neural anterior convergent extension defectsと表現される。

PCPを制御する詳細な分子機構は明らかでないが、頂底極性(apical-basal polarity)との関わりを議論している最中である。