研究=人生の生活

人生の質を高めるのが哲学なら、学問を探求するのが研究と思い始めた物書き志望者の練習帳

mnakaya.work

2018-01-01から1年間の記事一覧

副業としての研究

これまで、大学から給料を得て主業として研究・教育に携わってきた。近年の教育業務の爆発的増加で身体を壊すこととなり、副業として研究を続けることにした。大学近くに新たな職場を見つけたのでそこに転職、大学は特任ポストで研究籍を残して実験・論文執…

プライオリティー

研究とは主体的かつ知的な活動である。飯の種としての活動ではない。とはいえ、大多数の自称研究者集団は、研究費という名の税金を使って知的なフリをしている人である。良心的な研究者ならば、自分で獲得していない予算を使うことなどできないであろう。研…

任期制

最近の紙面で、大学教員の任期制に関する話題を目にすることが良くある。かく言う私も任期制で5年任期更新1回、計10年の契約である。この3月で友人が1人任期切れで大学を去った…学生にも評判の良い、優秀教員だった。幸いにも自宅近くに就職先を見つけ…

研究の流儀」

学問の世界には潮流というか学閥というか、師弟関係というか、世代を超えた流れみたいなモノがある。弟子入りした先生が作った人の塊に時には対峙しなければならないこともある。そもそも学問というモノは真理を探究する姿勢の様なところがあり、郷に入った…

ピュア・サイエンスとコマーシャル・サイエンス

先日、外国人ポスドクが研究室を去るに当たって、挨拶した言葉の中にこれはという物があったので記しておこうと思う。研究者には2種類いて、結果を追い求める人と、手放そうとする人だそうだ。1つの結果を深く掘り詰めて新たな事実を発見できるか、発表した…

エセ科学

TV番組でよく流れている科学的解説っぽいインチキ解説、観ていて不快になる事がある。用語が正確でなかったり、使い方が間違っていたり、そもそも意味を為さない言葉を使っていたり…今は、中谷宇吉郎の著作を読み漁っているけれど、彼もNHKが垂れ流すエセ科…

科学の方法 中谷宇吉郎著

遠縁に当たる親戚なので、読んでみている。 金沢にある旧制4高〜東京大学理学部物理学科と進学して寺田寅彦博士に師事していたらしい。雪の結晶の研究が有名である。旧制4高時代に組織学を学んでいたとのこと、ある意味同門だ… この本の目次は、 一、科学…

人生を経営する

研究=人生という事は…誰もが人生の経営者だから、研究にも経営意識が必要となってくる。マーケティング、予算獲得、プロジェクト考案、技術開発、コスト意識等など、会社で言われているような仕事は当然のように必要となってくる。 headlines.yahoo.co.jp h…

科学の基本〜物理学者・寺田寅彦の弟子、中谷宇吉郎に学ぶ〜

縁のある科学者の展示会に行ってきました。中谷宇吉郎は随筆家でもあるので、少し本を集めて読んでみたいと思います。 中谷宇吉郎は小松市新保という土地の出身です。芙二子さんは次女だそうで、札幌の出身です。新丸村は小松市の山奥にある集落で、新保地区…

研究=実験か?

生命科学系の研究者に多い傾向にあるが、研究=実験だと思っている人をしばしば見掛ける。この手のタイプは研究量=実験量だと考えている節がある。 答えはNOである。 研究とは字のごとく、研いで究める事である。ここに量の話は出て来ない。あくまで、”質”…

形態形成

細胞が増殖して、ある程度の数になるとさいぼうが立体的に配置し、ある向きで配置する事になる。この現象は、コンパクションと呼ばれ、マウスでは8細胞期から始まること、E-CadherinのZygoticのなmRNAが翻訳される事によって生じる事が分かっている。理論的…

研究者って何?

私の私見ですが、 研究者は、息を吸うように知識を吸収して、息を吐くように重要なことを口にする、そんな人種だと思っています。心のアンテナが反応したことに対しては周囲を気にせずに没頭する、起きてから寝るまで考え続ける、寝ている間も夢の中で考える…

研究者と技術者

研究を進めるためには、プロジェクトを考えつき、筋道を立てて情報を集め、問題点を抽出し、確認と検証のための実験を組み立てる役割と、高度な技術を正確に繰り返し行うことで、信頼性、再現性の高い結果を導き出す役割がある。 前者が研究者、後者が技術者…

Productivity

Productivityという言葉を初めて聞いたのはBostonであったSDB Meetingの時だった。 共同研究者のPIがポスドクの私のポスターを見に来て、プロジェクトの進行状況をチェックしに来た時!近くにいた当時のボスに「You are very luckey! He is so productive, v…

極性シグナル

細胞極性は、上皮細胞と呼ばれる細胞集団の境界部分(基本的に内外を別つ細胞)に存在する、特徴的な非対称性を構成する現象である。その表現形は、核や細胞内小器官の位置、細胞接着装置の非対称配置、細胞骨格系の非対称構築等として観察される。 未だ明ら…

平面極性とは?

平面極性(PCP)はショウジョウバエの羽の線毛の生える向きがランダムになる変異体の遺伝学的相互作用を根拠に提唱された概念である。Wntリガンドと、そのレセプター、細胞内伝達因子であるDeshevelled(Dsh/Dvl)等の遺伝子が関わっていると考えられており、Wnt…

極性とは?

「極性」とはモノの向きのことである。身近な例は北極ー南極とか磁石のN-S 極だろうか?お互いに異なる性質があって、1つの軸線上に並んでいる状態の事が「極性」と定義される。 私は、生命科学の分野にいるので、極性を持つ現象は一通り調べてみたけれど、…

はじめに

人生としての研究と職業としての教育、 インプットとしての学びとアウトプットとしての執筆、 両方の活動のトレーニングと発表の場所として開設しました。 日常生活のメモ的エピソード〜専門的分野の解説記事などを 日々の思いつきで改変しつつ更新していき…

研究テーマ

私は「極性」の研究をしている。身体の中には方向性があり、それは時と場所により上下、前後、左右、背腹、遠近といった位置情報により表現される。それらがいつ、どのようなタイミングで決定され、その結果何が起こるのか?なぜその軸決定が必要か?という…

アウトプット

研究をしたら、その成果を発表しないと世の中から無視される。学術論文は教授との折り合いが悪かったりすると、何年も発表することができない場合が多くある。研究費を獲得するためにも成果を発表することが求められるので、論文発表ができない事は致命傷に…

研究する訳

色々な動機があって研究しているのだけど、ちょっとだけ振り返ってみる。 高校2年生の時にいろいろ悩んで、哲学の本を読み、研究の意味を考えた。 プラトンの「無知の知」が一番影響を受けた用語だと思う。知っているつもりだけど、本質は何も分かっていない…